量子力学と観測
量子力学でいう「観測」は、日常語の「人が見ること」と同じではない。測定装置や環境との相互作用によって、量子系の状態について記録可能な結果が得られる過程を指す。そのため、量子論がただちに「人間の意識が世界を創造する」と教えるわけではない。
それでも観測は、世界がどのように記述されるのかという哲学的な問いを開く。観測者は世界の外側に立てるのか。測定以前の可能性と、測定後の現実性はどうつながるのか。物理学の厳密さを尊重しながら、この問いが意識についての考察とどこで出会うのかを探りたい。